僕が大事にしてて真似できないもの
本日体調不良により、家で療養中。
お昼にテレビをつけると「バイキング」がやっていた。
奥様に向けた番組構成は受け付けられず録画していた「いいとも」の最終回を見た。
これ見るのは7、8回目ぐらいでとにかく何回見ても面白い。
特にタモリとさんまがしゃべっているところ(これ自体が壮絶なデュエットなのだが)にダウンタウン、ウッチャンナンチャンが乱入しとんねるずが乱入してからの展開は鳥肌すら立つ。この先テレビ界に訪れないかもしれない。
僕はテレビっ子だった。 今でもわりと好きな方だが、もういい歳なので
お約束みたいな流れを見るともうこりごりだった。
それでいくと この日の事故っぷりは最高だった。
まっちゃんが「とんねるずが来たらネットが荒れる」
と言い出すのを境に一気にドライブがかかったわけだが、この発言の前には少し間があった。
喋り過ぎたさんまとタモリ、どちらが予定遅延の原因になっているかもめるシーンがあった。一瞬どちらについて良いのかも分からなくなりほんの数瞬グダった瞬間。
強烈なショット。
この瞬間から低域でビートの乱打が静かに始まっていた。
その後はしばらくダウンタウンとさんまを中心に場は盛り上がっていく。
さんまがしゃしゃり出る、ハマちゃんが口を止める、その一連の流れをまっちゃんが褒めるというループが一定続く。
それが一旦落ち着いたところで
ついにとんねるずが登場する。
シンバルが鳴り響く!
客席の芸能人たちが沸き立ち
まっちゃんは「ネットが荒れる」と叫び
ハマちゃんとタカさんは言い争い、さんまはタモリが悪いといい、とんねるずはタモリさんを庇い、それを受けさんまは自ら口をテープで塞ぎ、まっちゃんはさんまに対して「まだまだ売れるわ」というフックを放つ。(これもその後天丼の1パターンとして繰り返される。)ノリさんはみんなおいでと客席の芸能人をステージへと誘う。
「そんな中誰も行かないよ!」という怒号すら聞こえる中、さらにもう一波乱が起きる。
爆笑問題が乱入する。
「もっかい言うけどネットが荒れる!」
まっちゃんの叫びを皮切りにさらにカオスがカオスを呼び、ナインティナインがサクッと登場するも最早この怪物たちの中では小さく見えてしまう。
この後の流れで本当にいろんなことが起きるのだが
キーマンになるのは大きく3人
まずはやはりさんま。
ちょくちょくしゃしゃり出てはハマちゃんに諌められ退場しまっちゃんに褒められるを繰り返すというのを基本形にいろいろなパターンで場を持っていく。
もう一人はノリさん。
ただでさえカオスなステージ上に様々な人物を召致しさらにカオスを膨れ上がらせる。
その膨張したカオスをさんまが破裂させ、周り全員が回収するというやり方で辛うじて流れを作る。
あるものは隙を見て天丼を繰り返し、あるものは冷静に事を進めようとするが結局カオスの破裂に協力せざるを得なくなる。
そんな中タモリはじっくり様子を見ているだけだった。
偉そうにするわけでもなく、うろたえるわけでもなく、流れにじっと乗っかるだけだ。
そしてもう一人のキーマンは中居正広。
一個一個に対応をしようとしたのは中居正広だけだった。
一通りカオスがまた収縮仕掛けた頃、
カオスばかりを膨れ上がらせるノリさんが最後に連れてきたのは笑福亭鶴瓶だった。
このチョイスがノリさんがキーマンたる由縁だと考えている。
タモリに続いて唯一全員と対等に渡り合える人物だからだ。
この瞬間、この盛り上がりが最高潮に向かっていることが空気として伝わる。
最後の一盛り上がりとしてさんまが太田に怒る小さい田中を探しながら「いま怒ったの誰ー?」という流れ(これもカオスの中で生まれた天丼)でカオスを最高に破裂させて終局のムードが流れる。
この中で再び一抹の不安の空気が流れる。
終わることが出来ない。
終わらせる人間がいない。
タモリさんは終わらせるということをしない。
この化け物芸人がひしめく中で最後に纏め上げたのは中居正広だった。
お笑い芸人ではなくジャニーズ事務所の人間だったということがいかにジャニーズの人間がこの日本で場を支配することに長けているかが垣間見えた。
また誰もが出来ないことをさらっとやろうとする中居に「うたばん」で親しいタカさん、「伝説の教師」で共演したまっちゃん、プライベートでも仲が良い矢部の3人が同時につっこんだところはもう一つの見せ場になったように思う。
3人は特に強いつながりは持っていないが中居正広という人間によって繋がっている。
そういう奇跡的な繋がりの連続が放送事故をエンターテイメントに昇華できたということなんだろうなと思う。
とエラそうに語ってしまいましたが、それぐらいにこの最終回が大好きだって事です。
いいとも。いいとも。
さて本日紹介する音楽は全力投球、全力スイングする即興の怪人達
Derek Bailey / George Lewis / John Zorn
による共演、Yankees。
意味が分からないなら意味は自分で作れ!
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